フルタイム勤務や時短勤務の保護者が毎年頭を悩ませる、「小1の壁」。たとえパート勤務であっても、入学当初は午前授業続きなので問題があります。
入学前から、何をしておけばいいの?必要なものはある?
など、不安がたくさんある方も多いでしょう。そこで本記事では、入学前にできる「小1の壁対策」をまとめています。
明日の子育てを少し楽にするために、入学から親が子どもと一緒に出来ることはたくさんあります!
退職や転職を考える前に、まずはトライしてみましょう。
小1の壁ってどんな壁
具体的に、小1の壁とは何か?大きく分けて、物理的な壁と、情緒的な壁の2つがあります。
物理的な壁とは、学童や時間に関するもので、
・学童を利用できるかどうか
・親の勤務時間を調整するべきか
・学習フォローは学童か、家庭か、どのような方法か
情緒的な壁とは、子ども自身の心の問題で、
・学童になじめない
・学童の友人関係、クラスの友人関係
・学童の環境そのものが苦手(指導員さんを含め)
などが挙げられます。それでは、ひとつずつみていきましょう。
小1の壁 物理的な壁
物理的な壁は3つありました。まず1点目は、学童保育に入れない壁です。
学童保育に入れない壁
学童は毎年増設されていますが、一部都市圏(東京・埼玉・千葉など)では足りていないのが現状です。2022年度の待機児童数は、過去最高でした。
ですので、確実にお子さんを学童に入れたいと考えているなら、
入学予定の小学校の学童について、入学前から早めのリサーチが必要です。
でも……、具体的に、いつごろ始めたらいいの?
学童の入室申請は、
・前年度の秋(9月・10月)から始まる自治体がほとんど
・11月頃に開催される入学前説明会と同時に、学童の案内がされる場合が多い
ですので、学童の案内時期や現在の運営事情について、事前に入学予定の小学校に問い合わせをしておくと安心です。
あるいは、周囲でお子さんが学童利用しているママ友がいれば、情報を教えてもらえるでしょう。
お住いの自治体によって、対応は様々です。事前に登録受付開始期間などは、各自治体のホームページを確認しておくと◎
以前、筆者が住んでいた江戸川区には、学童とは別の放課後預かりシステムがありました。親の就業に関係なく預かってくれたので、とても助かりました。
東京都江戸川区の「すくすくスクール」って?
保護者の就業や学年に関係なく、児童であれば誰でも年額500円で利用できます。(平日5時まで)登録さえしておけば、いつでも自由に遊んだり宿題をしたりできます。
もしかしたら、あなたのお住いの自治体でも、学童とは別の預かりシステムがあるかもしれません。
この辺りのリサーチもしておくと、選択肢が広がりますよね。
親の勤務時間の壁
予定通り学童に入れたとしても、フルタイム勤務の場合、まだ問題が……。それは、
基本的な学童の受け入れ時間は、5時まで(自治体によっては延長保育可能な学童もあり)。
5時に仕事が終わる場合、学童まで迎えに行くことが難しいですよね。
・1年生が、果たして学童から1人で帰宅できるか?
・冬は16時半を過ぎると真っ暗。夜道は大丈夫か?
・帰宅後、1人で留守番できるかどうか?
不安すぎる……。
お子さんの安全を最優先するべきなので、今から対策をするほうが良さそうです。
1年生の下校時間が早すぎる
さらに1年生は、下校がダントツで早いこともあまり知られていません。
1年生は、毎日5時間授業なので、15時前には帰ってくる。家が近い場合は14時半すぎの子も。
パートの場合、9~14時勤務のパターンが多いですよね。勤務終了したら、急いで帰宅しなければなりません。帰りにゆっくり買い物して帰るのは難しいです。
さらに最も恐ろしいのは4月です。
【恐怖】4月の慣らし期間
これまでの経験上、4月の入学式後は給食なしの午前授業で下校します。
翌週は、給食を食べ終わり次第、即下校です。
この期間は、主にフルタイム勤務・時短勤務の方に影響があります。
・学童利用の場合、滞在時間がとても長い
・学童を利用しなくても、自宅で一人で留守番する必要がある
少なくとも、事前にお子さんとスケジュールを共有しておくことが大切です。
学童では学習フォローがない壁
基本的に放課後児童クラブ、いわゆる公営学童では、学習面のフォローはありません。
学童での子どもたちの扱いは、「教育」ではなく「保育」扱いだからです。
ですので、文部科学省ではなく、厚生労働省の管轄なのです。子どもたちは宿題をするもよし、遊ぶもよし、自由に活動します。
学童に常駐している指導員さんは、子ども達の見守りが仕事です。勉強を教えることが仕事ではありません。
家庭学習の習慣がつくか心配。宿題も、ゆっくり見てあげられるだろうか……。
確かに、何も対策をしないでいたら、家庭学習の習慣がつかないまま高学年を迎えてしまうことも。
子育てを少し楽にするツールを上手に使いながら、お子さんをしっかりフォローしてあげましょう。
小1の壁 情緒的な壁
実は、学童の環境になじめないお子さんも少なくありません。原因は、
・人間関係(友人や指導員さんとの関係性)
・純粋な寂しさ
がほとんど。Twitterでも、学童を嫌がるお子さんを抱え、仕事との両立に悩む保護者の声がたくさんあがっています。
しんどいよー
— iiicoto (@iiicoto) August 16, 2022
1時間半学童拒否に付き合ったあとの在宅勤務
気持ち切り替えられない。。
学童で強引な暴れん坊がいて、次男が学童拒否状態に陥ってしまった。学童に行く日の朝はシクシク泣くように。
— スー (@nininga_boys) May 22, 2023
よく見ておきますと職員さんは言ってくれるけど、その後も改善がないので本日もう一度『その子と距離を取れるようしばらくの間しっかり見守ってほしい』と伝えてみようと思ってる。モンペ?
友達関係が影響してくるというのは「学童に仲良しの子が居ないから行きたくない」「学童に意地悪な子が居て行きたくない」などなど周辺で子の学童拒否のパターンは結構このお友達関係でのいきしぶりが多いのですよね…大抵は学童側に友達トラブルを解決するような余力はない印象。これ予想するの無理…
— きよ耳なし芳一 (@kiyomi_nomimi) November 21, 2022
このように、お子さんが学童拒否になる可能性も考えておかねばなりません。どうしても学童に行ってくれない場合は、
・フルタイムから時短勤務へ変更
・パートへ変更(学童の利用条件をクリアするラインで)
・転職、在宅勤務へ
など、保護者の就業形態を変える必要があります。
無理に通わせることは、ますます精神的に不安定になってしまいます。
情緒的な壁は、お子さんに寄り添い、気持ちを尊重してあげることが一番の対策です。
小1の壁 入学前から対策できること4選
物理的な小1の壁については、入学前から対策できることはたくさんあります。
留守番の練習
留守番の練習は、共働きの場合は必須です。
さらに専業主婦・パートでも、いつなんどき都合が悪く家にいられないことが起きるか、わからないので、練習は必要です。
年長さんの終わりくらいから少しずつ、練習していくといいです。
わたしは年長の真ん中くらいから試していたかもしれません(ちょっと早いですが…💦)。
留守番の練習方法
最初は、ごく近く、超短時間から始めます。
隣のコンビニに行ってくる、マンションのエントランスに郵便を取ってくる、隣のおうちに行ってくる、
程度が練習に適しています。
子どもには、「少しのあいだ、おうちで待っててくれる?」とお願いをしてみましょう?
筆者は最初のうちは、あえて「留守番」というワードは使いませんでした。
ちょっと家事を済ませてくるね、の感覚で、お出かけ感が出ないようにしました。
留守番の練習で注意すること
「誰が来ても返事しない・ドアを開けない」ことを、実際の動作で確認します。
実際の動作とは、ピンポンを鳴らす、電話を鳴らす、声をかけながらドアをノックする、などです。
親の話を理解していれば、それらのトラップには反応しないので、留守番可能な月齢だと判断します。
それでも最初のころは心配なので、わたしはインターホンOFFにして出かけていました。
お届けものがあったとしても、このさい無視です。
共働きの場合は既にやられていると思いますが、郵便や宅配便も、これを機に完全に置き配にすることがおすすめです。
インターホンOFFしていれば別ですが、留守番に慣れて油断したころ、約束を忘れ、あっさりピンポンでドアを開けてしまうこともありえます。
子ども一人で在宅中に「ドアを開ける動作」を封じる、有効な策です。
スケジュールのすり合わせ
これは、子どもと行うことはもちろん、働いている場合は職場と早いうちから相談し、どうしても都合を付けたい場合は数か月前から知らせておくことです。
子どもとすり合わせる
一番は子どもと、スケジュール情報や約束ごとを共有することです。
1年生は、こちらが予想している以上に幼く、
だいたい、朝に伝えたことは忘れています
伝言ゲームのように、別の何かに置き換わっていることも多々ありました。さらに、他に気になることあると、頭がいっぱいになります。
上述した、4月の午前授業期間は、何度も子どもとはなしをする必要があります。
など、家庭内で細かいルールを決めておきます。
年長の終わりから、何度もはなしをして、理解を深めておくことが必要です。
職場とすり合わせる
どうしても子ども優先で都合をつけたい期間があるなら、早いうちから上司に相談しておくと、職場での理解も得られやすいと思います。
特に4月の初登校や、午前授業期間…。出来ることなら、そばで見守ってあげたい気持ちは皆同じ!
4月の初登校の様子を、写真やビデオに残すのもいい思い出ですよ。
入学式も可愛いですが、実際の登校の様子もおすすめ。
出勤日を調整する、時短の日を作るなど、少しでいいので実現してあげると、それだけで子どもはかなり安心します。
連絡&防犯ツールの購入を検討する
共働きの場合、連絡手段の購入は必須です。
物理的に離れていて、すぐに対応できないのであれば、さくっと購入を検討しましょう。
でも…、連絡&防犯ツールって、具体的に何があるのかわからない……。
具体的には3つのツールが考えられます。
①GPSや防犯ブザー ②キッズケータイ ③スマホ があります。
用途・目的に合わせて選ぶのがおすすめ!
この3つをどう使い分けるか?超ざっくりな判断の目安は、
・とりあえず子どもの居場所がわかればいい:GPS、防犯ブザー
・通話とメッセージができればよい、同じキャリアならなおよい:キッズケータイ
・端末代や月額料金を抑えたい:格安スマホ、おさがりスマホ
結論、1年生のうちは、GPS(防犯ブザーも併用)かキッズケータイを持たせるのがベターです。
ですが、大手キャリアのキッズケータイは、種類が限られています。お友達とかぶってしまうこともしばしば……。
そこでおすすめなのが、
・子どものためのプレスマホ はみっくポケット
・子どものための次世代スマホ はみっくミエルス
の2つです。はみっく製品の区分はスマホですが、
GPS機能と防犯ブザーが標準装備された、防犯機能がとても高いスマホです。キッズケータイと同じか、それ以上の機能を備えていると言えます。
デザインやカラーリングがおしゃれなので、お友達と被ることも少ないのも嬉しいポイント!(GPSや防犯ブザーも持たなくてOK)
はみっくポケットの製品ラインナップはこちら
はみっくミエルスの製品ラインナップはこちら
はみっく製品は、楽天市場にもショップがあります。
通学路のシュミレーション
少し面倒ですが、地味に大切なことです。通学距離が1キロ近いお子さんなら、必須です。
早いうちから、たとえば、ランドセルの記念撮影のさいに、通学ルートを一緒に歩いてみる。
親子で一緒に歩きながら、危険個所を確認することが大切です。
小1の壁 学習面で対策できること
ここまで、小1の壁に備える生活対策について触れてきました。生活面と並んで、もうひとつ、非常に重要な対策があります。
それが、学習フォローです。
フルタイムで疲れて帰ってきて、お子さんの宿題をみる。これが、実は一番しんどいかもしれません。
専業主婦のわたしですら、片手に赤ちゃんを抱っこして、1年生の宿題チェックをしてあげるだけでも、とても疲れました…。
「宿題」だけで、です。他に予習や復習もみてあげる…。
なかなかできることではありません。
<こくご・さんすうに共通する「わからない」以前の問題>
字が書けない・字が読めない・字が汚いのトリプルコンボ
<毎日念仏のように唱えられます>
さんすうの計算カード暗唱地獄(しかもよく間違える)、こくごの音読地獄
となりで聞くの、相当疲れそう…
そう、普通に宿題をこなすだけでも時間がかかるのが1年生なんです。
宿題を本人任せにしていて、忙しくてみてあげられないことが増えたらどうなるか…。怖いと思いませんか?
低学年での家庭学習のつまずきが、小4の壁に繋がってしまうのです。小4の壁のラスボス感は半端ないです。
家庭学習教材のリサーチ
ですから…、明日の子育てを少し楽にする投資をして、親子ともどもハッピーに過ごすべきです。
お父さんお母さんが忙しく、お子さんの家庭学習の習慣に不安がある場合には、家庭用の通信教材を今からリサーチしておくのがおすすめ。
出来るなら、各社から出ている「入学前準備号」から取り組んで、楽しさを知ってもらいましょう。
最近の家庭用の通信教材はとても優れていて、タブレット学習できるものがほとんど。ゲーム感覚で勉強に取り組むことができます。
小学校でも1人1台タブレットが支給され、高学年になるとパワーポイントや動画編集までしている時代です。
入学前から端末に慣れておくことも必要です。
最近、日露戦争について調べたことをパワーポイントにまとめたよ。
去年は委員会の仕事について、タブレットで動画を撮って、音楽や文字を入れた紹介動画を作ったんだ。
わたしより使いこなしてる…。
まずは、資料請求や体験をしてみて、お子さんに合った教材をみつけましょう!
民間学童のリサーチ
金銭的に余裕があるのであれば、送迎も生活も学習も、全て外注してしまうのも手でしょう!
学童に行けなくなる4年生までのあいだ、もしくは安心して留守番ができるまで、わりきっての投資です。
民間学童は学校から学童、学童から自宅までと、手厚い送迎があるのも嬉しいですね。
送迎も兼ねて、預かってもらいながら一緒に習い事ができるのはいいですね
学習のフォローも頼みたいな
どうやって探すか?ですが、
Webで「○○市(区)民間学童」と検索をかければ、たくさんヒットしてきます。例えば、江戸川区 民間学童 で検索すると、広告だけでも2.3軒ヒットします。
この検索トップのリックキッズでは、12月にも説明会を開催予定です。早めにリサーチをかけて、何よりも「知っておくこと」が大事です。
小1の壁対策 まとめ
小1の壁にぶつかってから考えるのではなく、今からできることはやっておく。
試行錯誤の結果、だめになったなら、そこで退職や転職を考えたらよいと思います。
- 留守番の練習を短時間から初めておく
- 4月のスケジュールを親子で情報共有し、心構えや家庭内のルールを決めておく
- 連絡防犯ツールの購入し、入学前から使い方の練習
- 通学路のシュミレーションは子どもに危険性を考えさせる
- 学習フォローの準備とリサーチは早めに
しんどい状態をずるずると続けるのは親子ともに病むし、貴重な1年生の時間がもったいない…。
子どもが1年生だったころを、思い出せないという方も多いと思います。
でも、あとから振り返って、1年生の姿って本当に初々しくて可愛いです。
1年生は、一生に1回です。ピカピカのランドセルを背負って歩く姿は、大切な思い出です。
つらかった記憶しかない、思い出せない…など、そうならないために、入学前からできることを頑張りましょう。
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